中村中・高と隣接する清澄庭園の大正記念館にて、第3部「在校生保護者との懇談会」が行われた。

中村中・高と隣接する清澄庭園の大正記念館にて、第3部「在校生保護者との懇談会」が行われた。

10月17日(木)、中村中学校(江東区・女子校)が、この数年恒例となっている「保護者主催説明会」を開催した。
この日、10:00から12:50まで行われた説明会は、すべて在校生保護者の有志によって企画・運営されたもの。当日の運営に参加した在校生保護者は26名。この有志の方々によって、以下の会次第で運営された。

◆第1部◆ 10:00から10:40
授業見学(新館LADYを含む校舎内すべての授業と生徒の様子を自由に見学可)
◆第2部◆ 10:50から11:50〈同校講堂であるフェニックスホールにて〉
1. 保護者代表挨拶 5年生(高校2年生)保護者
2. 校長挨拶 梅沢辰也先生
3. 行きたい大学へ 進学センター長・江藤健先生
4. 2014年度入試について 入学対策センター長・富田義道先生
5. 保護者スピーチ~中学受験を振り返って~ 1年生(中学1年生)保護者
◆第3部◆ 11:50から12:50〈隣接する清澄庭園の大正記念館にて〉
・在校生保護者との懇談
(中学受験や学校生活の様子などが何でも聞ける)

授業見学の開始時刻である10時前から、最寄の都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線「清澄白河駅」から、受験生の保護者らしき方々が、続々と中村中学校のキャンパスに向かう。
始めに驚かされたのは、2路線の駅改札の前はもちろん、学校への最寄り地上出口への階段、地上に出て学校へ向かう最初の交差点を渡る横断歩道の向かいにまで、案内掲示を持った保護者が案内に立っていたこと。ふだん先生方主催で行われる説明会以上の丁寧な案内配置だ。

◆第一部◆授業見学
キャンパスに到着した保護者は、地下フェニックスホールの入り口で資料(教室の配置図と行われている授業の紹介も)を受け取ると、そのまま自由にエレベータや階段を使って、思い思いに校舎内へ授業見学に向かう。各フロアでは、やはり案内の保護者が丁寧に参加者を迎えて、教室で行われている授業への自由な見学を促す。

学年ごとに各フロアでまとまっている各教室での授業は、受験生保護者の出入りは自由。終始、数名の見学者が教室内を覗き込んだり、教室後方に出入りする状態に。それなのに、生徒の集中力は散漫になる様子もなく、授業に聞き入っている。この姿が、日頃から学校生活を見学に来た人々を素顔のままで迎え入れている、中村中高の自然な雰囲気を物語っているともいえるだろう。

◆第2部◆説明会
授業見学の時間が終わると、参加者は地下フェニックスホールへ。200名収容のホールの座席の8割方が参加者で埋められる。司会にあたるのも、5年生(高校2年生)の保護者。はじめに保護者代表の挨拶と、本日の運営にあたる在校生の保護者26名が紹介される。

学校長として「学びあう喜び」と「共生」を標榜する簡潔な挨拶をした梅沢辰也先生

校長として「学びあう喜び」と「共生」を標榜する簡潔な挨拶をした梅沢辰也先生

続いて、学校長・梅沢辰也先生の挨拶。「学びあう喜び」と「共生」を標榜する同校の教育と、それを具現化する「ノーチャイム制」の一例をあげて、中村中高のあり方と雰囲気を簡潔に説明。続いて進学センター長の江藤健先生から、最近の大学進学状況や志向の変化(AO・推薦での大学進学より、一般入試での大学合格~進学者の激増ぶりを示して「行ける大学」から「行きたい大学」をめざす、同校の進学指導と、日頃の学習指導、学習サポートの一端を、これも身近な時間で簡潔に紹介。実際に生徒が書いた学習記録ノートや能率手帳スコラの紹介には、そこに書かれた内容を、中学生になってからのわが子の姿と重ね合わせてイメージしたのだろうか、多くの保護者が、親しみを持ちつつも真剣に見入っていたのが印象的だった。続いて、 入学対策センター長・富田義道先生から、来春2014年度入試についての説明があり、出願の仕方などのアドバイスがいただけた。

そして何より印象的だったのは、この説明会プログラム最後の「保護者スピーチ~中学受験を振り返って~」での1年生保護者(母親)のお話。当初は考えてもいなかった中村中学校の存在を知り、見学に訪れ、併願校に選んでいく過程での、親子の心境の変化や、ほかに見学した学校で感じたフィーリングなど、中学受験に挑む親子が誰でも経験することを振り返って話してくれた。
そうした親子の思い出と歩みを、訥々と誠実な話し振りで聞かせてくれる内容に、参加者はまた、中学受験の準備を始めてからこれまでの、わが子との経験や思い出と重ね合わせているのか、終始、うなずきながら聞き入っている姿が目立った。途中、スピーチのなかで、当時が想い起こされて感極まったのか、やや涙声になる場面も…。それがまた参加者が抱いている思いとも一致したのか、話し中は水を打ったような静けさだった会場が、スピーチ終了と同時に、どよめくような拍手で包まれた。まさに“共感”を呼ぶスピーチだったといえるだろう。

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参加者(受験生の保護者)4名が着席したテーブルで質問に答えるのは、説明会で保護者スピーチをしたTさん。

◆第3部◆在校生保護者との懇談会
そして、説明会が終わると、会場を隣接する清澄庭園のなかの大正記念館に移しての「在校生保護者との懇談会」へ。授業見学・説明会の参加者のおよそ7割が、この第3部にも続けて参加という出席率の良さ。やはり、これまで数年行ってきた、この「保護者主催説明会」では、受験生の親が遠慮なく「何でも聞きたいことが聞ける」という口コミも広がっているのだろう。
18の島が整えられたテーブルに参加者が3~5名ずつ分かれて着席すると、それぞれのテーブルに在校生の保護者が1~2名つく形で、懇談会がスタート。紙パックの飲み物を飲みながら、質疑応答というよりは歓談といったほうがふさわしい、母親どうしの会話が始められる。もともと「中学受験のことや学校生活の様子など、是非何でもお聞きください」と案内にも書かれていた、この懇談会。最初だけは少し固い雰囲気だった各テーブルも、2~3の質問が交わされると、あっという間にテンポよく会話がはずむ場に変わっていった。

写真右手前の清澄庭園・大正記念館で、和気藹々と懇談会が行われた(写真左手奥は中村中・高の校舎)。

写真右手前の清澄庭園・大正記念館で、和気藹々と懇談会が行われた(写真左手奥は中村中・高の校舎)。

受験のこと、学校生活のこと、クラブ活動のことなど、まだ受験前の親が聞きたいこと、心配なことも、同じ母親目線で何でも遠慮せずに聞くことのできる、こうした機会は、多くの中学受験生の保護者にとって、心が休まり、また励みにもなる場でもあるのだろう。懇親会スタートから数分もたたないうちに、各テーブルの母親が、もともとお友達であったかのような雰囲気で、気軽に会話を交わしているのが印象的だった。

この日、中村中・高の先生方は、第2部の説明会でご登壇されたほかは、終始、案内のサポート役などに徹し、何か特別な質問があったとき以外は、会の進行を見守るのみ。まさに「保護者主催の」説明会であったといえるだろう。

中村中学校では、先生方ではなく、同校での学校生活を経験した生徒や卒業生、保護者が主催して行う学校紹介の機会として、今回10月17日(木)の「保護者主催の学校説明会」のほかにも、すでに9月7日(土)には「卒業生が運営する学校説明会」が行われ、続いて11月16日(土)の10:00からは、在校生が登場して「十人十色のなかむらライフ」を伝えてくれる、生徒による説明会が開催される。また、今週末には(台風が心配ではあるが)、10月26日(土)~27日(日)には、同校の文化祭である「清澄祭」が開催される。
興味・関心のある方は、ぜひ足を運んでみて、その雰囲気と同時に、「開かれた学園」をめざす中村中・高の生徒や先生方の「お・も・て・な・し」を肌で感じてみてはどうだろうか?

(日本Web学校情報センター所長/北 一成)